モラハラとは?夫婦間で起きる家庭内モラハラについて

夫のモラハラを我慢して耐えたり、辛い思いを募らせている女性はものすごく多いです。
2018年の調査では夫婦のうち6人に1人の妻が家庭内でモラハラを受けています。
そこで今回は、モラハラの意味や実情、モラハラ夫の特徴について解説していきます。

モラハラという言葉の意味は?

モラハラという言葉は【モラルハラスメント】の略で、『道徳』という意味のモラルと、『嫌がらせ』という意味を持つハラスメントを合わせた言葉になります。

最初にこの言葉が提唱されたのは1998年。
今から22年前に「自由と平等」の国、フランスで、モラハラを問題視する女性が立ち上がりました。

精神科医のマリー=フランス・イルゴイエンヌ氏です。

彼女は「肉体的な暴力」とは分けて、夫の言葉や態度などによる「精神的な暴力」を世界で初めて訴えました。

彼女の功績はまず、夫の言葉や態度によって妻の心を傷つける行為も家庭内暴力であると唱えたこと。

そして、家庭という密室内で起きる「外からは分かりづらい暴力」があることを、世界に知らしめたことにあります。

こうして彼女が家庭内の精神的暴力=モラハラに意味を与えた功績は、どれだけ強調してもし過ぎることはないでしょう。

夫婦間で起きる家庭内モラハラとは?

夫婦間で起きる家庭内モラハラとは、夫の嫌な言葉や態度などで繰り返し攻撃されることなります。

「もう離婚だ!」、「もう生活費は渡さない!」このように妻を脅して不安にするようなことを言ったり、「お前はダメだ!」と人格否定をして責めてくることもあります。

言葉には出さず、あえて無視や無関心といった態度を取る夫もいます。
妻が自分の言うことを聞かなかったり、気に入らないことをしたりすると、イライラした態度や表情を浮かばせながら、途端に押し黙るのです。

日本で家庭内モラハラは、2004年にDV防止法の中で精神的暴力と規定されました。

それまでは、ケガやアザなどができて被害が目に見えやすいDVに比べ、モラハラは表面化しづらく、「夫婦喧嘩」や「家庭の不和」として片付けられていました。

それ以外の適切な言葉が存在しなかったために、妻は我慢して、耐えることで時をやり過ごすしかなかったのです。

他に相談しても、「たかが暴言」、「我慢が足りない」とか、夫婦喧嘩は両成敗でどちらも悪いと言われたり、夫のモラハラによって精神的に追い詰められていると訴えても、心の弱さだと言われたりするのが普通でした。

しかし、国がモラハラ被害を法律に明記したことで、夫から繰り返し精神的暴力を受けている妻は、「守られなければならない」という理解が得られるようになりました。

また、妻がモラハラを受けたことによって生じる様々な心理的・身体的不調の適切なサポートも受けられるようになりました。

モラハラが社会に認知されるようになったおかげで、夫婦の問題や妻の心身の不調への理解が大きく変わることになったのです。

モラハラに当たる具体的な言葉や態度

  • 何でも自分の思い通りにならないと、気が済まない
  • 「ああしろ」「こうしろ」と命令口調が多い
  • 夫の意見を少しでも否定するようなことを言うと、急に怒ったり、無視したりする
  • 「お前はダメな人間だ」といったニュアンスを漂わせる発言をする
  • ちょっとしたきっかけで、急に冷たくなることがある
  • 妻や子供の気持ちを傷つけるようなことを平気で言う
  • 人の話を聞くよりも、自分の話ばかりする

家庭内モラハラの実情

では、モラハラは日本でどれくらい起きているのでしょうか?
公表されている最新の資料(2020年11月現在)を元に見ていきましょう。

内閣府の男女共同参画局によると、夫婦間の暴力(モラハラを含む)はずっと増え続けていることが分かります。

離婚件数の増加と、モラハラが原因で離婚する夫婦の多さは下図の通りです。

離婚件数が増えている中、平成23年度:最高裁判所の「司法統計報」によると、妻からの離婚申し立ての動機として、モラハラである【精神的な虐待 (全体4位)】【生活費を渡さない (全体3位)】が上位に入っています。

また、平成24年度の警察庁の統計によると、夫婦間における犯罪の被害者は総数として93.1%が妻であり、夫から妻への暴力の検挙件数も年々増加傾向にあります。

このデータは身体的暴力(DV)のものではありますが、それよりも表面化しにくく、立証して事件化することが難しいモラハラについても、被害者の圧倒的多数は妻であり、その件数も増加傾向にあることは容易に想像できるでしょう。

モラハラによる心身の影響

先ほど、モラハラとは、夫の嫌な言葉や態度などで繰り返し攻撃されることだとお話しました。

また、モラハラが主に家庭内の密室で起きるものであるために、長い間、気づかれにくいという特徴もあります。

長期間、夫から繰り返し精神的ダメージを受け続けるために、気づかぬうちに心身に深い傷を負ってしまう方は少なくありません。

心においてはトラウマやPTSD、夫からの洗脳(自分が悪いという罪悪感から抜け出せない、など)があります。
鬱や不安障害(パニック障害を含む)が夫のモラハラが原因で起きていることもあります。

身体においては、更年期障害だと思っていたものが、夫源病と呼ばれる自律神経系の不調として現れていたりします。

夫へのストレスを子供に向けてしまい、子供との関係まで悪くしてしまう方もおられます。

モラハラ夫の特徴

①「正しいのは自分。悪いのはお前だ!」という態度

モラハラ夫は『自分が正しくて、悪いのはすべて妻』だと思い込んでいます。

また、夫婦の関係性も対等な関係はあり得ず、常に自分が上で、妻が下だという上下関係が当たり前だという意識でいます。

「俺の言っていることは正しい。
俺の言う通りにしないお前が間違っている。
俺が怒るのはお前のせいだ!」

このように機嫌が悪くなる原因を全て妻に押し付け、身勝手なイライラを募らせるのです。

② あれこれと妻に要求するくせに、妻の要求には応えない

モラハラ夫は、「妻ならしてくれるはずだ」、「やってくれて当然だ」と思い込んでいるので、妻が夫の要求に応えた見返りというのは、ほとんどありません。

夫の言うことは聞かなければなりませんが、妻の言うことは滅多に聞き入れてもらえないのです。

このアンバランスさが対等な関係とは大きく違います。

それに、口が上手かったり、子供っぽいワガママさが強く出ていたりもします。

コロコロと態度を変えることもあり、妻が自分の要求を飲んでくれた時は優しく、拒否されたら不機嫌になるというそのギャップが驚くほど大きい人もいます。

③ 自分中心で物事を進めようとする

モラハラ夫が考えていることは常に自分中心で、妻の気持ちに共感したり、妻の視点に立って考えることができません。

また、妻は自分より下だと思い込んでいるので、自分の理想を妻に押し付けてくることもあります。
「妻はこうあるべきだ!」というモラハラ夫の理想は非常に高く、頑固で、しかも妻がその通りにしないと強く非難してきます。

対等な関係であれば、夫も我慢するところはして、お互いにゆずり合いながら理想と現実に折り合いをつけていくものですし、自分の理想と違うからといって妻ばかりを強く責めることもありません。

最後に:モラハラ夫の対処法と夫婦仲修復に向けて

夫のモラハラで悩んでいる女性が全員離婚したいと思っているわけではありません。

実際に女性たちの声をお聞きしてみると、離婚したくても経済的に自立できる自信がないとか、子供のことを考えてしまうとかいう理由で離婚に踏み切れない人ちは大勢おられます。

しかし、ネットで検索したり、行政のDV相談センターに行ったりしても、「モラハラというのは治らない」「だから、離婚するしかない」というアドバイスしかされないようです。

離婚をせずに夫のモラハラを治して、夫婦仲を修復したいと考えている女性たちは自分の希望を叶えるための必要なサポートを受けるのが困難な状況にあります。

また、日々のカウンセリングで相談者様のお話を聞くと

「どうやって夫のモラハラを治したらいいのか、具体的な方法が分かりません」
「他のカウンセリングに言っても、ただ話を聞いてもらうだけで、どうしたら今の状況から抜け出せるのか先が見えません」
「離婚せずに、夫との関係を修復したいです」

このような相談は後を断ちません。

モラハラの対処法や夫婦仲修復のためのノウハウは書店やインターネット上にもありますが、それを実際に自分の夫に当てはめて実行するにはどうしたらいいか具体的には分からなかったり、夫が怖くて一歩を踏み出せないといったご意見もお聞きします。

こうした女性たちの悩みを解決するために、夫のモラハラで傷ついた心のケア、夫のモラハラを治すための対処法、夫婦仲修復のためのコミュニケーションスキルを確実に身につけられるよう、継続的なサポートの仕組みが必要だと考えています。

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