モラハラ夫の原因やその心理について相談者さまからよく聞かれる質問にお答えします。
「モラハラの原因は何ですか?」
「なぜ旦那はモラハラをするのでしょうか?」
「モラハラ夫の心理が分かりません…」
夫からイライラや不機嫌さをぶつけられたり、無視されたりするだけでも辛いのに、妻だけが一方的に悪いと責められるのは、あまりにも理不尽で理解不能だと思います。
そのようなモラハラ夫の態度や言動に何度となく振り回され、辛い想いをされてきたのではないでしょうか?
モラハラ夫への対処の仕方を身につけるために大事なことの一つは、夫の性格的特徴とその背後にある心理に目を向けることです。
この記事では、モラハラ夫の原因を[性格面]と[心理的な成熟面]の2つの側面から解説していきます。
モラハラ夫の原因[性格面:自己愛性パーソナリティ]
モラハラ夫の原因の一つには、性格的な要素が大きく影響しています。
彼らの性格にはある共通する特徴が見られるからです。
その特徴というのは、物事が自分中心に進まないと気が済まない性質が他の人より強いことです。
そのために、考えることは常に自分のことばかりになりがちで、物事を見る時も自分の視点からしか見ることができません。
このような人達はただでさえそのような傾向が強いのに、後半で述べる心理的問題がさらに加わると、その特徴がより強く出るようになります。
すると、例えば「俺は正しい!」「俺は特別だ!」という感覚が過大になって、「だから自分より下の妻には何をしてもいい」「意見や批判をすることは許さない」という態度を強くしてしまいます。
また、自分のことばかりが先にきて、妻の気持ちにまで気が回らなくなります。そのために、共感性が乏しくなり、妻を傷つけるようなことを平気で言ったり、したりするのです。
上記のモラハラ夫の性格的特徴は、心理学では自己愛性パーソナリティという区分に相当します。
夫の性格の50%は生育環境が影響
私たちの性格は両親から受け継いだDNAと育った環境に大きく左右されます。
性格形成についてのいろいろな心理学の研究によると、育った環境の占める割合は平均で50%程度なのだそうです。
性格における育った環境の影響は意外と大きいですね。
では、モラハラ夫の性格(自己愛性パーソナリティ)に大きな影響を与える生育環境にはどのようなものがあるのでしょうか?
主な3つの要因をご紹介します。
親のモラハラを見て育った
夫のモラハラで苦しんでいる女性のご相談に乗っていると、夫の親、特に父親が母親にモラハラをしていたとか、亭主関白だったとかいう話をよく聞きます。
中には母親が父親にモラハラをしてたというケースもお聞きします。
どちらにせよ、モラハラがあった両親のもとで育った場合、子どもは親を見て同じ行動を身につけてしまうことがあります。心理学ではこのように親とそっくりな行動を身につけることを「モデリング」と呼んでいます。
たとえば、母親にモラハラをしていた父親を見て、息子は「男とはこうあるべきなんだ」「夫婦とはこういうものなんだ」「妻にはこうしていいんだ」と知らず知らずのうちに学習してしまうのです。
また、被害者女性のお話をお聞きしていると以下の質問を受けることがあります。
「夫はモラハラをしていた義父のことを『嫌いだ』『恨んでいる』などと言っています。それなのにどうして義父と同じモラハラを夫もするのでしょうか?」
このことは、モデリングが潜在意識的に行われることと関係しています。
子どもの頃、モラハラをしていた親が嫌いだったとしても、潜在意識下ではモデリングが行われていた可能性が高いので、当人は無意識のうちに親と同じことを再現してしまうのです。
過保護または過干渉の親に育てられた
過保護な親は、子どもが傷つかないよう、子どもがイヤな思いをしないよう、子どもが失敗しないよう、先回りして手を打ってきます。
過干渉な親は、子どもがすることに対して「あれをしなさい、これをしなさい」「それはやめておきなさい」などといちいち口を挟んできます。
どちらの親にも共通して言えるのは、子どもの自立を阻害してしまうことです。
私たちは自立を阻害されると、自分に自信を持てなくなります。
自己愛性パーソナリティの人は、その自信のなさを補うために、妻に自分のことを認めさせようとする承認欲求が過大になっています。
モラハラ夫は妻には自信ありげに振る舞いながら、妻から自分のことを否定されたり批判されたりすると敏感に反応すると思います。
それは承認欲求が強い証拠で、本当は自分に自信がないのです。
日本の男性優位社会による影響
内閣府が公表している統計データによると、モラハラをする女性よりもモラハラをする男性の方が圧倒的に多いのが分かります。
なぜ、男性のモラハラが圧倒的に多いのでしょうか?
その理由の一つは、日本の男女格差がいまだに大きいことが挙げられます。
世界経済フォーラムが男女格差を国別に比較した発表によると、日本は世界149か国中、110位と非常に男女格差が大きく、先進国では最低レベルなのだそうです。
このように男性優位の価値観【男尊女卑】が根強く残っている日本社会の影響も、モラハラ夫の背景にあるのです。
〈引用:内閣府ホームページ 男女共同参画局より〉
⇒ 配偶者等からの暴力の実態
⇒ ジェンダー・ギャップ指数 2019
モラハラをする夫の心理
ここまではモラハラ夫の原因を性格面から見てきました。
次は、モラハラ夫の心理的問題にスポットライトを当てていきます。
実は、同じ自己愛性パーソナリティの人でも、心理的問題を克服できている人はモラハラをしません。
このことから、夫のモラハラを改善する重要なカギは心理的問題にあることが分かります。
そのことを理解していただくために、まず、モラハラという行為を心理学では何というのか?
ここからお話します。
心理学ではモラハラ的な言動のことを「アクティングアウト」と言います。
誰でも自分の思い通りにならない時、フラストレーションを感じますよね。
例えば、、、
朝支度でバタバタしているのに、子供が全然言うことを聞いてくれない時…
急いでいるのにバスや電車が時間通りに来ない時…
このような時に、私たちの心の中にはフラストレーションが生じます。
そのフラストレーションが大きい場合、私たちの心は「アクティングアウト」という形で抱えきれないフラストレーションを解消しようとするのです。
モラハラというのは、そのアクティングアウトの一形態になります。
ただ、モラハラ夫のようにすべての人がフラストレーションを感じたからといって、
- 自分のイライラを人のせいにする
- 文句や不満を人に向かって言う
- 不機嫌や怒りを人にぶつける
このようなモラハラ言動をするわけではありません。
人によっては、
- やけ酒をする
- ジャンクフードをどか食いしてしまう
- 買い物を依存症的にやってしまう
- 奔放な性的関係を求めてしまう
- ギャンブルを依存的にやってしまう
もっと軽い場合は、
- 爪を噛む
- 貧乏ゆすりをする
- 体の一部を引っ掻く
重傷の場合は、
- リストカットをする
- ドラッグに手を出す
これらもアクティングアウトの例になります。
モラハラ夫の原因[心理面]
このようにアクティングアウトには、モラハラ以外にいろんな形があるわけですが、どんな形を取るにせよ、その原因にはある共通する”心理的な問題”が潜んでいます。
それは「心の器が育っていない」ということです。
心の器とは、自分のネガティブな感情を受け入れるキャパシティ(容量)を言います。
心の器のキャパシティ(容量)が大きければ、自分の思い通りにならないことがあってフラストレーションを感じたとしても、それをアクティングアウトという不適切な形で解消することはありません。
つまり、モラハラ夫のもう一つの原因は心の器が小さいことで、そのためにすぐに容量オーバーになり、抱えきれないフラストレーションを妻に向けて解消しようとしているのです。
【追記】モラハラ夫の原因が夫婦関係にもあるケース
モラハラ夫の原因が夫婦関係にもあるケースをお話します。
ただし、これから述べる内容はすべてのモラハラ夫に当てはまるものではありません。
当てはまるケースは、夫が二面性を持っているタイプになります。
このことをもう少し詳しく説明しますと、夫は家庭以外の仕事や友達、近所付き合いでは自分の思い通りにならないことがあっても「グッ」と自制できるのに、妻に対してだけはそれができずに、イライラや悪態を表に出すような夫になります。
なぜ、このように二面性のある夫は、妻の前でだけモラハラな自分を出すのでしょうか?
モラハラ夫の精神年齢が子供と同じ理由
結論から言いますと、、、
妻の前でだけモラハラをする夫は、その時「子どもがえり」をしているのです。
小さな子どもは、
- お母さんは僕の欲求を満たしてくれて当たり前
- 僕の気持ちをわかってくれて当たり前
- 僕の期待に答えてくれて当たり前
このように思っています。
それで、お母さんが自分の期待に応えてくれないと「ウワァー」となって、不機嫌になったり…文句を言ったり…ワガママを言ったりしてお母さんを困らせます。
実は、二面性を持つモラハラ夫は、このような小さな子どもと基本的には同じ精神状態に戻っているのです。
では、一体なぜいい大人が子どもがえりをするのでしょうか?
モラハラのもう一つの根本原因は『妻への甘え』
「なぜいい大人が子どもがえりをするのか」この答えを明かす前に、少し脱線して、私たちも二面性を持つモラハラ夫と同じような経験をしている…
というをお話をします。
実は、女性と男性と問わずほとんどの人が同じ子どもがえりの経験を”今でも”しているのです。
それはどんな時かと言いますと、私たちが母親や父親と電話で話したり、直接会ったりする時です。
赤の他人から言われても大して気にもしないことなのに、同じことを両親から言われると、ムキになったり、面倒くさがったりすることはありませんか?
許せなかったり、素直に話を聞けなかったりすることもあると思います。
普段は人に怒りを向けない人でも両親に対してだけは感情的になってしまったり、、、
実際のところ、ほとんどの人が大人になっても両親の前では子どもがえりをしてしまうのです。
なぜかといいますと、その原因が「甘え」にあるからです。
「甘え」というのは、実に不思議なものです。
普段は理性的でキチッと自分をコントロールできている人でも、甘えを許される状況に置かれると人格の下地がコロッと出てしまう…
二面性を持つモラハラ夫が子供がえりをしてしまうのも「甘え」に原因があるのです。
モラハラ夫が妻に甘える心理
ということで、話を元に戻しましょう。
二面性を持つモラハラ夫が子どもがえりをしてしまうのは一体なぜか?
もうあなたはお分かりだと思います。
その答えは、妻がモラハラ夫に甘えを許す状況を作ってしまうからになります。
では、妻はどうやってその状況を作っていると思いますか?
それは、、、
妻の『心の穴』による無意識の行動によってになります。
たとえば、モラハラされやすい妻によく見られる心の穴の一つに「従順さ」があります。
- 夫を立てる妻
- よく気が利く妻
- 我慢できる妻
- 察する妻
これらはどれも良い夫婦関係を築くためにはとても大事なものだと一般的には考えられています。
しかし、健全な夫婦関係という観点から見ると、必ずしもこれは美化されるものではありません。
なぜなら、妻が従順であると心理的に『対等な関係』を築けないからです。
夫が妻に甘えて子どもがえりをして、
- 不機嫌になって黙り込んだり
- 妻に怒りをぶつけたり
- 自分だけが正しいことを妻に認めさせたり
成熟した大人とは思えない言動を平気で取るようになるのは、夫婦が心理的な部分で対等な関係性ではないからなのです。
ですから、妻が夫と心理的な部分で対等な関係を持てるようになると、夫は妻に甘えることを徐々に諦めるようになります。
そして、妻のことを他の人と同じように一人の大人として見てくれるようになり、自分から妻に対する態度や言動を変えてくれるようになるのです。
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