モラハラ被害者に見られる共依存の特徴

モラハラ(精神的DV)がある夫婦では被害者が共依存になるケースが見受けられます。
しかし、共依存は悪いことのように言われて被害者を傷つける2次被害が起きているのも事実です。
この記事では、被害者を守るために【モラハラと共依存の本当の関係】について説明します。

モラハラ(精神的DV)における共依存とは

夫のモラハラ(精神的DV)で辛い想いをしていろいろ調べていくうちに共依存という言葉を知った、という方は少なくないと思います。

共依存は、モラハラがある夫婦関係では被害者がなる可能性があります。
夫がモラハラである場合は、妻になります。

モラハラ夫の中には妻への依存傾向が強く、そのためにモラハラをする人がいます。

共依存とは、そんな依存傾向のある夫が依存できる土台を、自分でも知らないうちに提供してしまう妻のことを共依存と言います。

ただ、夫からモラハラをされる妻全員が共依存というわけではありません。
妻が共依存ではなくても、夫からモラハラをされるケースはたくさんあります。

ですから、”モラハラを受けているから私は共依存だ…”とすぐに結びつけて考えないでくださいね。

モラハラと共依存についてよく言われていることは、

「共依存だから離婚できない」

「共依存だからお互いさま」

「モラハラを受けるのは妻にも非がある」

このようなものだったのではないでしょうか?

でも、そのようなことを共依存の人に言うのはどうなのかな、と私は思います。

なぜなら、夫からモラハラを受けるだけでも被害者として相当辛いのに、さらに自分が共依存であることが悪いように言われてしまうと、二重に苦しめられてしまうでしょう。そして、被害者を守るどころか孤立させてしまいます。

共依存の人が共依存になってしまうのは、『本人の純粋な善意』からです。
共依存の人は、心が優しい人ばかりです。

夫のために必死に頑張っているのにそれが悪いように言われてしまうのは、本人にとっては心外でしょう。

後から述べますが、共依存の人は大事な何かが欠けているために、本来良いところとして持っている心の優しさをモラハラ夫の都合のいいように利用されてしまう、これがモラハラと共依存の本当の関係になります。

モラハラ被害者に見られる共依存の特徴

夫からモラハラを受けて共依存になってしまう人には何が欠けているのか?

それを明らかにするために、モラハラ被害者の中で共依存と認められる人の特徴をこれから説明していきたいと思います。

共依存には軽症と重症があってそれぞれ特徴が見られますが、彼女たちは共通して以下の4つの感情を持っているように思われます。

  • 自分の中では夫を信じているという気持ち
  • でも、このまま夫婦生活を続けるのは辛いという気持ち
  • かといって夫を見捨てることはできないという気持ち
  • 夫が何かのきっかけで変わってくれるかもしれないという期待感

これらの気持ちが軽症と重症の場合でそれぞれどのような特徴として現れるのかを説明していきましょう。

軽症の共依存の特徴 ①:マインドコントロールを受けやすい

モラハラ夫は妻が持っている心の優しさを都合良く利用するために妻をマインドコントロールします。
軽症の共依存の場合、よく聞かれるマインドコントロールは「悪いのは私の方…」というものです。

共依存になりやすい人は人の気持ちを読み取るのが元々上手だったりします。
相手の仕草や表情からその人の心理状態を敏感に察知できる能力を持っているのです。

その能力は夫に限らず、友達や職場の人間関係でも同じように発揮され、空気を読んで明るく振舞ったり、自分の感情をなるだけ出さないようにできたりします。

でも、人が良いので相手に合わせてしまうことが多く、それがモラハラ夫の場合、簡単にマインドコントロールされてしまうのです。

軽症の共依存の特徴 ②:モラハラ解消を先送りにする

モラハラ夫のマインドコントロールは、妻が怒られた衝撃で呆然としている最中に行われます。

「俺の言っていることは正しい!」

「俺の言う通りにしないお前が間違っている!」

「だから怒られるのは当然だ!」

「悪いのはお前だ!」

このように何度も言い聞かせて、妻をマインドコントロールします。

こうして妻が「私の方が悪い…」と思うようになってしまうと、自分がモラハラ被害者だという自覚を持ちにくくなってしまうでしょう。

また、辛くても自分が我慢して夫の言う通りにすればいつか夫も変わってくれるに違いない、という期待を変に募らせてしまいます。

そのために、自分では辛い状況から抜け出そうと必死で頑張っているつもりでも、それが間違った方法だとはなかなか気づけません。周りの人から助言されても聞き入れることができないのはそのためでしょう。

このようにして共依存の人が自分に欠けているものを取り戻して、モラハラを本当の意味で解消しようとする試みは先送りにされます。

そして、共依存も軽症から重症へと徐々に進行してしまいます。

重症の共依存の特徴 :モラハラ夫から別れられない

共依存の方の話をお聞きしていて、いたたまれない気持ちになることはよくあります。

「夫の言っていることは正しいところもあります。私に至らないところがあるから怒らせてしまっているだけです…」

「私がいなければ、あの人は生きていけないと思います」
「あの人のことを受け入れたり、理解してあげられるのは私だけなんです…」

夫のモラハラがどんなに辛いかをとうとうとお話しになった後で、決まって最後には、夫をかばったり、信じていたりするようなことをおっしゃるからです。

”もう本当に離婚したい”と心を決めておられるのに、実際には別れられない方もおられます。

妻としては長年必死に頑張ってきて、ここまで耐えてきたんだからという自負もあるでしょう。
共依存の人は心が優しいので、夫を見捨てられないというお気持ちも分かります。
もしくは”夫と別れても彼以外にパートナーとなってくれる人と出会えるのか…”このような不安を持たれている方もおられるかもしれません。

でも、本人の表情からは、身も心もすり減ってくたびれている様子が一目で分かるほどです。

それでもなぜ妻は夫をかばうようなことを言うのでしょうか?

夫を信じているから…
夫がかわいそうだから…
夫が怖いから…
離婚は大変だから…

色々理由はあるでしょうが、本当のところは共依存の人に欠けているものと深く関係しています。

共依存の原因とは

共依存の人に欠けているもの。

それは、『父性』になります。

共依存の人は心が優しくて『母性』は満たされているのですが、『父性』が欠けていることが原因でモラハラ夫から都合のいいようにされてしまいます。

共依存の原因は、父性が欠けていて母性と父性のバランスが崩れていることにあります。

先ほどのように共依存の人が夫をかばうのは『母性』優位になっているからです。

私たちの心の中では『母性』と『父性』の2つの原理が働いています。

女性だけが『母性』を持ち、男性だけが『父性』を持つというわけではありません。
どちらも大切な原理です。

母性というのは、[受容・共感・寛容さ]をもたらす心の働きのことです。

一方、父性には、[境界線を引く・突き放す・自分を守る]という働きがあります。

私たちはこの2つの原理をバランスよく保つことが大事なのですが、バランスを崩してしまうと、対人関係の行き詰まりや生きづらさを感じやすくなってしまいます。

また、共依存の人のように父性が欠けて、母性だけになってしまうと、夫を依存させやすくなります。

愛にもバランスが必要なのです。

共依存を克服して心安まる夫婦関係に変えていくには

夫のモラハラを改善する方法には、妻が下手に出て夫を立てる「愛され妻」や「良妻賢母」になりなさい、というものがあります。

ですが、共依存の人にはこれらの方法は向いていません。

ここまで読んでいただいている方はそれがなぜなのか、分かっておられると思います。

「愛され妻」や「良妻賢母」は母性を使う方法だからです。

では、母性ではなく父性を使う方法はどうでしょう?

モラハラを改善する他の方法には、夫から舐められないように不気味なオーラを出したり、夫はいないものと思って無関心になったりすることをすすめるものもあります。

でも、これってどうなんでしょう?

共依存の人が元々持っている心が優しくて『母性』に満たされている素晴らしいところを、無くしてしまっていいのでしょうか?

それで本人は本人らしくいられるのでしょうか?

共依存の原因のところでお話しましたが、大切なのは母性と父性のバランスを取り戻すこと。

”現在の夫婦関係のどこで自分の父性が欠けているのか”

”どんな時に持ち前の母性を活かすといいか”

”自分にとって無理なく父性を発揮するには、どこまでが可能か”

”そして、それをどう夫に伝えるか”

こうしたことをまず見つめ直すことが必要です。

そうして自分の言動や態度を少しずつ変えていくと、今まで夫からどれくらいマインドコントロールを受けていたか。
父性が欠けていたのは自分のどんな内面的な問題(心の穴、心の癖)に由来していたのか。
これらに気づけるようになります。

共依存を克服するにはその気づきを得ることがすごく重要です。

このようなプロセスで共依存を克服できれば、自然に母性と父性をバランスよく使った夫への対処も身につけられ、夫婦関係も夫からモラハラされない心安まるものに変えていくことができるでしょう。

まとめ

共依存の人はモラハラ被害を受けながらも必死に頑張っているのに、それが悪いことのように言われてしまうのは本人にとっては心外でしょう。

被害者の2次被害を防ぐためにも、共依存は悪いことだと責められるものではありません。

共依存の人は純粋な善意で夫を支えているので、その善意を夫の都合のいいように利用されない方法で夫婦関係を変えていくことが大事になります。

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